翌日は、男女ともにベスト4の激突。
ちなみに米倉小ミニバスは男子部もあり、男子部も県大会の常連。この地区予選も優勝候補で、女子部と一緒にベスト4進出を決めていた。
そして男子部は、女子部より先―4年前―に、県大会優勝して全国大会に出場していた。
今年の男子部は、2度目の全国大会出場が出来るんじゃないかと言われている。
その男子部は、中野拓海(ナカノ タクミ)がキャプテンを務める。
昨年の夏、5年生でただ1人、県北選抜に選ばれた逸材で、背も高く、外からも中からもシュートを決められる。そして、しっかりボール運びも出来る。パーフェクトなプレーヤーである。
顔もイケメンで、5年生の女子の間では人気があり、美咲も拓海が好きだった。
しかし当の拓海は、菜月に想いを寄せている。

その日、会場で、拓海が最初に気づいたのは菜月の姿である。
女子部の方も、男子部に気づく。
男子部の方には、コーチの矢内亨(ヤナイ トオル)もいた。
亨の姿に気づいた美空は、「集合」と声をかけ、
女子部は亨の前に整列した。
「おはようございます。よろしくお願いします」

女子部からの挨拶に、
「おはよう。
今日は優勝目指すして、お互い頑張ろう」
と、亨は返した。