暫くして、克真は目を覚ました


「…克真………大丈夫………?」


「…あぁ」


「ねぇ、もしかして…


 櫻乃たちに殺られたりした?」

 
「……………」


黙秘は肯定を意味する…


「ごめんなさい…………」


「謝んな。実際、俺が悪いんだ」


そう言われても、納得行かない


だって、あんな話を聞かされたんだもん…


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これは、克真の過去のお話



克真の家は、決して裕福なんかじゃい


…きっぱり言えば貧乏だったらしい


それでも、家庭は円満


とても幸せだったそうだ………


だけど、そんなある日


克真の母親は男を作って逃げたそうだ


最後に、


『私には、耐えられる力も


 あなたを育てていく力も


 あなたを守る力もなかった…


 …ごめんね…………』


そう言ったらしい