「じゃあ1つヒントねっ」


「だから聞いてないって」


茶色の髪の毛をフワフワさせながら女の子みたいな笑顔で私を見つめてきた。


普段はあまり見ないその表情にまたドキッとしてしまった。


なんでコイツはちょくちょくそういう顔してくるのよ。


男子とこんな至近距離になった事なんてないし。



もう、少しは考えてよ。



「ヒントその1!去年の夏!!」


「うん…、え?そんだけ?」


「勿論っ。だってヒントだもん」


はっ?去年の夏だけ???

……全然分からない。



そんな事より、アタシ完全にコイツのペースに巻き込まれてない?