声がする方を見ると、隼永くんが王子様スマイルを女子たちに振りまいてる。


なるほど。
この女子たちの声は隼永くんのせいね。



隼永くんは私に気付くと、微笑んでくれた。

もちろん、王子様笑顔じゃない。


だから、私もにこっと笑みを返した。


「優梨、和泉くんと何かあった~?」


にやにやしながら杏が聞いてくる。


「な、な、な…何もない。」


「焦ってる…。怪しいねぇ。」


でも、本当に、何も無かったよね?

うん、無かった、無かった。