お店にさっそく入って部屋に通される。
泊まることもできるみたい。

「じゃあ、いつもの、お願いします。」

「かしこまりました。」

いつもの?
結構来ているのだろう。

ふと、頭をよぎった。

――誰と?――


なんとなく、そんなことを考えた私は自分がいやになった。
頭を振り、考えを振り払う。

「どうした?」

首をかしげて私を見る片岡さんは、本当に心配しているようだった。

「なんでもないです、大丈夫です。」

微笑んでみたが、うまく笑えてるか分からない。