「了解。一軒だけ、和食のうまい店知ってるんだ。そこでいいか?」
「はいっ!」
片岡さんは私の返事に対して微笑み、アクセルをぐんと踏んだ。
ついたお店は、いかにも和食の料理屋さんという感じのお店。
でも、そんなことよりまず思ったのが、高そう、ということだ。
私、お金そんな持ってきてないけど、持ち合わせで足りるかな…。
そんな私の考えが見えたのか、私がわかりやすいのか、片岡さんは私の頭にぽん、と手を置いた。
「金の心配はするな。俺がお前を誘ったんだ。俺が払うのは当たり前だろ」
そう言って、優しい笑みをする。
ずるいよそれ。頭、ぽん、て…
それで、そんな優しい笑顔なんて見せないで。
好きになっちゃうじゃん…。