9時50分。


遅刻したり、待たせたりもしたくないから早くついた。
余裕持ってきたのに…

「おう!早いな」

いや、早いのどっちよ?
ていうか…

「かっこいい…」

ぽろっと自然に出た言葉。
私服を見たのは初めてだった。

Tシャツにパーカーを羽織り、太めのジーパンにはウォレットチェーンがついている。

まじまじと見ていると、フッと笑う声が。

「見過ぎ。」

ただ一言。
くしゃっと綺麗な顔を崩して笑うその姿は、無邪気な感じが出ている。