少し経ってから、ガチャッとドアを開けていきなり入ってきたお兄ちゃん。

「ちょっ…ノックくらいしてよ!」

私より6つ離れているお兄ちゃん。
名を、葉月 璃玖(はづき りく)、21歳。
成績は私とは比べ物にならないくらいにすっごく優秀。
運動神経も抜群で、顔もそこそこらしく、いっぱい告白されたらしい。

いつもはコンタクトだが、家にいるときは黒縁めがねをかけている。

「別にいーだろ。てか、お前部屋そんな服で散らかしてなにしてんだよ?」

ジロジロと怪訝そうに見る。
そして、はっとした。

「もしかして、お前…彼氏でもできたのか?」

「ちちちちち違うよ!ただ、その…今度の土曜日お出かけするから、可愛い洋服あるかなぁ?と思って。おしゃれ、しようと思ってさ?」