だからかもしれない。

私は、片岡さんに抱きついていた。

「志帆…?」

驚いたような声。
まぁ、そうだよね。
自分でもちょっとびっくり。

「断るわけ、ないじゃないですか。だって、大好きですから。
 好きって気持ちだけじゃだめかもしれない。でも…
 それ以上、何をすればいいんですかね?」

私は、自分で何を言っているのか分からなくなりながらも、照れ笑いをした。