帰り― 「おいしかったな」 「はいっ!ありがとうございます」 私は改めて御礼を言った。 すると、片岡さんが私の頭にぽんっと手を置いた。 首を傾げて片岡さんを見る。 「俺こそ、ありがとう、だ。断られたら死ねそうだったぞ、俺」 笑いながら言った片岡さん。 すごい、不安だったのだと分かった。