片岡さんは、片膝を地面につけ、私の右手をとって甲に口付け、言った。

「…俺と、踊っていただけますか?」

暗くて、あんまり表情は分からなかったけど、
きっと、赤い。

「…はいっ」

私は笑顔で返事をした。

片岡さんのクスッと笑うのが聞こえた。


そして、立ち上がると片岡さんは私の腰に手を回して引き寄せた。

ダンスって、こんなにも密着するものなんですね。