「あああ、あのっ!でも、虹綺麗だから見たいです」

とりあえず暴れてみる。
さすがに公衆の面前でこんな…抱きしめられているのは恥ずかしい。

「そういう意味じゃねぇよ…」

やっと離してくれた片岡さんは、呆れたようにそう言い、しゃがみこんだ。

頭を抱えて難しそうにぶつぶつ呟いていた。
「だめだ、コイツ天然だぞ…ちゃんと言わねぇとわからねぇのか…」

私は、片岡さんが具合でも悪くなったのかと思い、自分もしゃがみこんで顔を覗き込んだ。

「大丈夫ですか?」