「おい。俺の女に声かけてんじゃねーよ」

グイッと後ろから引っ張られて抱きしめられるように守られた。
声で分かる。

「か…たおかさん…」

上を向いて片岡さんの顔を見ると、声をかけてきた男をすごい形相で睨んでいた。
少し、額に汗が滲んでいる。

「別に…そんな太った女興味ねーよ!!」

そう吐き捨てて男は走り去っていった。

太った女…
ズキズキと胸が痛む。でも、本当のこと…。