「ほら、陽菜ちゃんの退院した日

一緒に男の子がいたでしょう。

よく、遊んでもらってたと

思うんだけどな。」


朝陽くん。あの男の子の正体

なんで、今まで忘れてたんだろう。

あの頃 保育園児なりに

淡い恋心を寄せていた。

兄弟が居ない私に、兄のように

いつも優しく接してくれた男の子。

「思い出したかな?」

「はい!」

「きっと屋上にいるよ。

成長した姿見せてあげて。」

「ありがとうございます」

微笑む先生に背を向けて今日の

目的地でもある屋上へと向かった。