俺こと、矢吹達也には好きな人がいる。

高校の頃、同級生で隣のクラスだった友達。

名前は、橘双葉。

髪は茶色くて、いつもボブの髪型の女の子。いつもふわふわしてて、見てるこっちも気持ちが和むんだ。俺の隣にいてくれるだけで幸せな気持ちになる。


そんな彼女と俺の出会いは、高校一年生の時。帰りのバスを待っていた時に、たまたま俺の後ろに双葉が立ってた。でも、その頃は俺たちはまだ知り合いですらなくて、でもお互い顔だけは知ってた。

しばらくたって、俺の友達が来た。
隣のクラスにいる、俺の部活仲間だ。
気さくでいい奴さ。

「おーい達也!遅くなった!」
「おお、やっときたな。遅いぞー」
「ごめんごめん・・・て、あれ、橘?なに、お前ら知り合いなの?」
「は?橘って・・・」

そう言って後ろを振り向くと、その橘と呼ばれた女の子がこっちを見た。

「いや、知り合いじゃねえよ。顔は知ってるけど」
「あっそーなの?一緒にいるからてっきり知り合いなんだと・・・」
「てか、お前この子知ってるの?」
「ん?ああ知ってるよ。だってこの子俺のクラスだし。なあ橘!」
「え、あ、うん・・・」
橘は俯きながら答えた。
「せっかくだしさ、お前らここで友達になっちゃえば?いい機会だし」
「なんでそーなる・・・えっと、橘さん、だっけ?俺、矢吹達也。橘さんの隣のクラス。よろしくな」
「あ・・・橘双葉です。よろしくお願いします」

これが俺たちの出会いだ。