「それはね、アランあなたよ」
知ってたんでしょ?とアランに得意気に聞いた。アランがユイを目覚めさせたことから、アランにも何かあるのではないかと読んだガーネットの独断で密かに研究していたという。この情報にはユイも驚きを隠せなかった。だがアランはその話を聞いても顔色1つ変えることはなかった。それどころか、「ヤキマ氏の弟の子孫だ」と冷めた声で言い放った。
「嘘。アランと私達が血が繋がっているなんて…」
「そうなのよ。でもライと兄妹だってのは知ってたわけ?あんまり驚いていないようだけど」
「それは知ってたから…」
パパにこの間、全てのことを聞いていたから。
「どこにも資料がないのに?ユイはヤキマ氏と2人でここに住んでいたんでしょ?どうして知ってるの」
「そ、それは…」
ヤキマが生きていてたい最近聞いたなんて事はどうしても言うことはできない。何と言えばいいのか考えていると何処からかドォーンという何かが爆発する音がした。
「アラン博士!北棟の離れから爆発が起こりました!」
研究員が血相を変えて、報告する。
「…離れといえばユイが使用している部屋じゃないか。何でそんな所から…」
するともう1度、今度は近いところでドォーンという爆発音がした。
「博士。今度はBSPD研究室及び培養室から爆発が起こりました!」
「どういうことだ?何故そんなところで。侵入者など不審者は?」
すぐに状況を確認せよと命令を出してアランは、難しい顔をした。どうしてそんなところから爆発が起こるかわからなかった。誰もがそう思い、何が起こっているのかわからなかった。
そして、そうしている内に次々と至る所で爆発が起こり始めた。
「これはどういうことだ。テロリストでもいるのか?」
アランは次々に起こる爆発に、この研究を狙ったテロリストの犯行ではないかと考えた。そして次の瞬間、部屋がオレンジ色に染まった。