「希龍だから、だよ。私に勇気をくれたの。だから守らせてよ。大切なの」



【美希…】



耳に入ってきたのはさっきとは違って少し弱々しい翼の声。


舞蘭のみんなには伝わってる。


だからこそ不安にさせてるんだね。



【翼、大丈夫だから。私は弱くない】



【…分かりましたよ。希龍の皆さん俺からもお願いします】



それから暫く静寂が続き、ダメなのかなと思い始めた頃、どこまでもゆるい声が聞こえてきた。



「総長さんと副総長さんにお願いされちゃあねぇ?」



「れんれんっ!僕はいいと思うよっ」



「俺は総長に従うぞ」



その言葉に期待を持ちながら総長である蓮の言葉を待つ。



「蓮」



口を開かない蓮に青髪も決意したように呼びかける。


それを見た彼はフッと口角を少しあげようやく覚悟を決めたように話し始めた。



「今の俺らじゃ力不足だ。んなことは分かってる。でも組ませてほしい。必ず追いついてみせる」