って、こんな事をしに来たんじゃないのに!
お陰ですっかり流されてしまった。
ここに来た目的を思い出した私は座っていたソファーからバッと立ち上がる。
瞬間に私に集まる視線。
「どうしたんですか?」
何も知らない彼らは不思議そうな顔を私に向ける。
「私、目的があってここに来たの!」
主語なくいう私は周りから見れば完全に頭のおかしい子。
なんて思われても構わない。
ただ、言葉を紡ぐ事に必死だった。
「目的?なんだ?」
話し出すのが下手な私に助け舟をくれた蓮。
今だけは感謝。嫌いだけど!さっきのまだ地味に引きずってるけど!
「話そうと思って」
「何をー?」
いつまでも主語を出さない私の言葉を理解出来なさそうなみんな。
でも、その中で蓮と青髪は私の言いたいことが理解出来たらしく次の言葉を待っていた。
「私が何者なのか」
やっと望んでいた方向に話が進み始め余裕が出来た私はニヤリと口角をあげる。
言葉の続きを待っているらしい彼らは誰1人言葉を発すること無くただ待つ。