相変わらずあちこちから聞こえる「こんにちは!」という声と私に刺さるような視線を感じながら2階へと向かう。
幹部室にはやはりメンバーが揃っていて、
「遅かったですね」
なんて言われてしまった。
その問いを特に気にする様子のない黒髪は「あぁ」とだけ返し一番奥にある長ソファーに腰掛ける。
どうやら定位置が決まっているらしくテーブルを囲むようにして置いてある長ソファーに座っていく彼等。
舞蘭と変わらないなぁ…なんて思う。
皆が座る中一人ボーッとしたまま立ち続ける私。
「あれー?それもしかしてれんれんのー!?」
いきなり聞こえた大きな声に思わずビクッと体が動く。
そしてその言葉でずっと忘れていたパーカーの存在を思い出した。
「あっ!そうだよ黒髪!パーカー!!」
そう言いながらブカブカのパーカーを脱ぎ渡そうと近づく。
それを受け取ろうと手を伸ばしたのかと思いきや掴んだのは私の手首でそのままグイッ引っ張られる。
いきなりの事で抵抗出来ずそのままソファーに座る黒髪の胸に飛び込むことに。