日曜日だからなのか運が良かったのか誰にも会わずに出入口まで辿り着いた。
外に出るとふと目に留まるバイクに寄りかかった黒髪の姿。
さっきは驚きで気づかなかったもののジーンズにパーカーを羽織った完全に私服だった。
首元で光るシルバーアクセが無駄に似合っていてそれが嫌なくらいに色気を引き出している。
なんか悔しい。
敗北心に満ち溢れながら罪のない黒髪を睨む。
暫くの間そうしていると目が合ってしまった。
私の視線の先には目を見開いたままピクリとも動かない黒髪様。
なんだか心配になり黒髪の元へと歩き出す。
「おーい!大丈夫ー?」
着いても尚、変わらず動かないため背の高い彼を見上げながら呼びかける。