一人になり再び静寂が訪れる。
気は進まないが待たせるのも申し訳ない。
何とかクローゼットから服を引っ張り出し着替えた後、軽く髪の毛をとかす。
女の子としてこの部屋から出るのは今回が初。
男子校の寮だからバレたらまずい気もするけどウィッグをつける気にもなれない。
服もミニ丈の白いワンピースに薄いピンクのカーディガンを羽織った姿。
買った記憶はない。でもあるということはきっとお母さんが勝手に買って勝手に送ったのだろう。
まさか着る日がくるとは…たまにはいいことしてくれる。
支度が終わった私は改めて自分の姿を全身鏡で見てみる。
そこに映るのは完全に女の子姿の私。
太陽の光で首元のネックレスがキラリと光る。
なんていうか…似合わない。
初めて着た可愛い感じの服だったけどあまりに似合わないことにショックを受ける。
とは言え優雅に着替えてる暇はない。
もう着ない。そう思いながら仕方なく部屋を出て外へと向かった。