「あぁ?鍵開いてたぞ」
…鍵はしっかり掛けたはず。
でもここまて"こいつ大丈夫か"的な視線を向けてくる黒髪を見る限り嘘ではないらしい。
前言撤回します。すいませんでした。
これからは気をつけなきゃ。
「えっと、おはようございます」
もはや返す言葉ない私は無理矢理話題を逸らそうとする。
「逸らすの下手だな。それより早く支度しろ」
どうせ話題に乗る気が無いなら触れないで欲しかった。
どうせ下手ですよーだ。
なんて思いながら全力で舌をべーッと出す。
…心の中で。
「支度?」
なんて私の心情を悟られないように次の話題に進む。
今日は日曜日。
昨日倉庫行ったから今日は寝て過ごす気しか無かったのに。
「あぁ、はやく済ませろよ」
どうやら私に拒否権は無いらしい。
前の件もありきっと逃れることは出来ないだろう。
大人しく従う事にした私は「分かった」と答える。
逃げないという思いが伝わったのか黒髪も大人しく部屋から出て行った。