「総長ー!寂しかったですよー!」
「今まで何やってたんですか!」
「ぎてぐれでうれじいでずよぉぉぉ」
あちこちから「総長!」や「寂しかった」などの声が飛び交う。
大声出したり突進してきたり泣き喚いたり…
動物園ですか?と問いたくなるような五月蝿さだ。
とりあえず静めなければと思い、
「とりあえず皆落ち着いて!ね!?」
と、声の限り叫んだ。
事の始まりは数分前。
倉庫のシャッターを上げ、怪しまれぬようすぐに変装を解いた。
露わになった金髪ロングの髪型で私と分かったらしい下っ端が「総長!!」と大声で叫んだのだ。
すると瞬く間に下っ端立ちに囲まれ今に至る、という訳だ。
一人一人の質問に答えることは出来ないけれどこういう気持ちは本当に嬉しい。
自分の居場所はここにあるんだって思えるから。
「皆、いつもありがとう」
質問の答えにはなってないけれど満面の笑みで言う。無性に伝えたくなった言葉。
そんな私の言葉を誰一人咎めることなく笑顔で「もちろんです!」「俺達の総長なのでっ」なんて言ってくれる皆。
そんな下っ端達に「また後で!」と言い私は歩き出す。
二階にある幹部室へと向かった。