それからすぐ「俺らも行く」という黒髪の言葉で一斉に立ち上がる希龍。
「またねー!」
最後まで元気なオレンジ頭に、
「ありがとうございました」
最後まで礼儀正しい青髪。
何も言わないものの手をヒラヒラ振りながら出ていく銀髪に、ポケットに手を突っ込み眠そうにあくびをしながら出ていく赤髪。
「また明日、な」
ふわり微笑んだ黒髪の瞳に釘付けになる。
その瞳に捉えられているせいなのか「う、ん」と何とも途切れの悪く少々掠れた声が出る。
私に背を向けてからも何故か目を逸らせず結局扉が閉じるその瞬間まで見続けていた。