美希side
あれから学校を出た後、鉄ちゃんの言った通り寮はすぐに見つかった。
私の目の前にはデカい建物。
いや、デカすぎる建物。
しかもデカだけじゃない。
無駄に豪華。
どう見てもあの不良たちが住む寮だとは思えないものだった。
とは言え、雰囲気はなんとなく自分の家に似ていて入るのに抵抗は全くなかった。
寮に入ってすぐ目に入る赤い絨毯。
それを辿っていくとフロントがあった。
寮とは思えないその造りのせいでマジマジと見てしまい、如何にもフロントにいそうな姿の男の人と目が合う。
爽やかなスマイルをプレゼントされ目をそらすのが申し訳なくなりヘラっと笑い返す。
これ以上戸惑わないようにする為、私はある決断をした。
ここをホテルだと思おう、と。
そうと決めたからにはもう迷う事などない。
速やかに受付を済ませ、エレベーターで最上階まで移動する。
チ〜ンという音と共にドアが開き最上階に足を踏み入れた。