「ノックもせずに開けるとはいい度胸だな」



私だと気付いていない鉄ちゃんはバンバン殺気を飛ばしながら脅しかける。



「鉄ちゃんの方がいい度胸してると思うけど」



その行為は朝から疲れの溜まっている私をイラつかせるのには充分すぎて。


お返しにしっかりと貼り付けた笑みをプレゼントしてあげた。



「悪い!美希だとは思ってなかった!!」



ただならぬ雰囲気を感じ取ったのか素直に謝罪の言葉を口にする鉄ちゃん。


仮にも理事長、何より先代なのに…



「まぁいいや。それより寮行きたいんだけど」



イラつきはしたものの殴る気力など残っていないためさっさと要件を伝えた。