のはいいものの。
どうやら本当に長い尋問だったらしい。
やっとの事で戻ってこれた校内。
何処からかガヤガヤと騒ぐ声は聞こえるものの誰一人いない廊下。
それもそのはず、今は授業中。
…4時間目の。
もちろん授業を受ける気になる筈もなく帰ろうかな、なんて考えながら歩く。
そこで私はある重要な事を思い出した。
「寮なんだった…」
ぽつり、と小さく呟かれたその言葉も誰もいない廊下には嫌なくらいに響く。
帰るにも帰れなくなってしまった私は重い足を何とか動かし歩き始める。
向かう先は理事長室。
行きたくないけど仕方がない。
こうしないと寮という名の家に帰ることすらできないから。
嫌な時間ほど過ぎるのは早く、あっという間についてしまった。
煩かったら殴ればいい。
勝手に自己完結させ吹っ切れた私は何のためらいもなく扉開ける。