ガラッッ…バンッと私よりも遥かに強く早くドアが開く。
大きく響いたその音は嫌でも現実に引き戻された。
それはほかの生徒も同じらしくみんな一斉にドアを見る。
「翔ちゃぁぁん!ごめんなさーーいっ!!」
入ってくるなり何かに対して全力で謝るオレンジ頭。
しかしよく見ると一人ではないらしく何人かで翔ちゃんに頭を下げていた。
「ったく、お前ら遅刻何回目だよ。まぁ次から気をつけろよー」
なんだ遅刻か。たかが遅刻か。
さすが不良校。緩いね。人のこと言えないけど。
翔ちゃんが言い終わると私に向かって歩いてくる集団。
何事かと見渡すと私の周りには5人分の空いた席があった。
…囲まれてるじゃん。これ。
そう理解したのと声がけかかるのはほぼ同時だった。
「あーっ!朝の人だー!」
さっきまで全力で謝っていたオレンジ頭に叫ばれる私。
朝の人ってなんなんですか…
私にはよく分からない言葉に反応する5人。
何ていうか威圧感がすごい。
「同じクラスだったとはねぇ~」
「今日はついてるな」
緩い話し方の銀髪とニヤリと口角を上げる赤髪。