教室の扉についている窓から中の様子を見てみる。


そこには案の定騒いでいるカラフルヘッド達がいた。


五月蝿すぎて翔ちゃんが入っていったことに気がついていないようだった。


でもそれは束の間で教卓にたどり着いた瞬間まるで時間が止まったかのようにピタッと静まり返る。


どれだけ翔ちゃんが怖いんだろう…


お気の毒に。



「今日は転校生を紹介するぞ〜入ってください!」



何も気にせずにいつも通り私に呼びかける翔ちゃん。


きっと敬語な事に驚いているだろうカラフルヘッド達はあからさまに間抜け面だった。


正直に言おう。


めちゃめちゃ入りにくい。


こんな妙な雰囲気だよ?自己紹介とか…


翔ちゃんは翔ちゃんで入って来ない私を不思議に思ったのか首傾げてるし。


もういい。当たって砕けろ!!


妙な雰囲気を壊すようにバンッとドアを開け翔ちゃんの隣に立つ。



「自己紹介をお願いします!」



「古城麗だ」



よろしくをするつもりもない私はそれだけを言って終了する。