理事長室から教室に続く廊下を二人優雅に歩く。


一時間目が始まっててもおかしくない時間だけど気にせず歩く。

維持でも歩く。


一人そんなくだらないことを誓いながらふと思い出したことを聞く。



「ねぇ、翔ちゃん。私のクラスって1-Sなの?」



「あっ、そういえば説明してなかったですね!
美希さんは1-Sに入ってもらいます」



「1-Sって?」



普通クラスって言ったら一組とか二組じゃない?

前の高校はそうだったんだよね。



「Sクラスは頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群のどれかに当てはまる人が入れる特別クラスなんですよ」



なるほど。

世の中にはそんなクラス分けも存在するのか…。



「じゃあ私は?運動神経悪くは無いけど普通な気がするし頭脳?」



舞蘭の総長のことは言わないつもりでいるし。


きっと頭は悪くないと思う。


少なくともこの不良校の生徒に比べれば…だけどね。



「(選択肢に容姿がない。全部なのに…)そうですね頭脳だと思います」



何やら言いたそうな表情だけど教室についたためそれ以上は何も聞かなかった。


翔ちゃんも「呼んだら来てくださいね」とだけ言い残し教室に入っていった。