「みぃ~きぃ~!!やっときた!待ってたんだよずっと!!」



入った瞬間に抱きつかれる始末。


どうして扉を開ける度にこの状況になるのか私には理解できない。


とりあえず今の私の姿は男。


男が男に抱きついている絵ってキモくない?


そう理解した瞬間とりあえず相手の腹に拳を入れた。



「うっ…相変わらず重い…」



そんな事を言いながらよろけた人物には明らかに見覚えがあった。



「鉄ちゃん?」



野村鉄也(のむらてつや)

私たちの族、舞蘭6代目の総長だった人。

確か学力に関しては救いようのないバカだった気がする。




「めちゃめちゃ失礼なこと思ってるだろ!俺だってやれば出来るし!バカじゃないし!」



「えっなんで分かったの?怖いんだけど!」



こんな人に心読まれるなんて…もうお嫁に行けない気がする。



「顔に出てる…まぁでもとりあえず久しぶりだな!」



「あ、うん久しぶり」



あまりにも切り替えが早すぎてついていけない私。


ある意味尊敬するけど。