朝っぱらから余計な体力を使った。
そんな事を考えながら幹部室の中に入る。
「隼人は起きましたか?」
日向悠哉(ひむかいゆうや)
希龍の副総長。いつも敬語だけど頼りになるやつ。
「なんとか…な」
「お疲れ様でした」
爽やかな笑顔で告げるこいつはこれからも自分が起こしに行くことはないらしい。
「また機嫌悪かったか?」
ゲラゲラ笑いながら聞いてくるこいつ。
どうせまたあいつをイジるネタにでもするのだろう。
神埼陵(かんざきりょう)
希龍の幹部。普段無愛想なくせに無駄に心配性な女嫌い。
「あたりまえだろ」
隠すことなくその質問に答える。
時刻は8時15分。
遅刻…だな。
「うちの隼人ちゃんは問題児だからね〜」
そんな俺の隣から聞こえるゆるい声。
きっと遅刻なんかどうでもいいとでも思っているのだろう。
南奏汰(みなみかなた)
希龍幹部。喋り方がゆるい根っからの女好き。
「遅いですね」
そう呟かれた瞬間にバンッと大きな音をたてながら開いた扉。
「おはようっ!!」