しんと静まり返っていたはずの倉庫が沢山の音に包まれる。


でもそれはもちろん心地のいいものではない。


金属のぶつかり合う音に鈍い殴られる音。


沢山の人に潰される。


そして私も血を浴びながら前へと進む。


どんなに進んでも人、人、人。


終わりが見えない。


ふと周りを見渡すと希龍が目に入る。


その強さは天と地の差。


見違えるほどに強くなった。


蓮を先頭によく連携が取れてる。


あれなら心配は必要なさそう。


もう一度気合を入れ直し一気に突撃しようとした時、


「ここは私たちに任せてあいつのところに!」


叫びながら勢いよく私の後にいた敵を蹴り上げる。



「ありがとう!」と私も凛の隣に見えた敵を蹴り倒し駆け出す。



ふと振り返ると待っていたかのように



「生きるよ」


と、そう言った気がした。