その状況があまりに可笑しくてとりあえず「えっと……大丈夫??」と声をかけておく。
めちゃくちゃ気を使う私とは裏腹に舞蘭幹部は過呼吸レベルでゲラゲラ笑う。
いや、可哀想だからやめたげて。
総長のプライドが…とは言わないけど。
「わりぃ大丈夫だ」
なんて言いながらも相変わらずお腹を擦りながら立ち上がる。
プライドはどうした。
喉まできた言葉をなんとか飲み込んだ。
「やっぱり俺たちじゃ到底敵いませんね」
少し離れたところから観察していた悠哉から零れた言葉。
それには嘘偽りもなく心からの本心。
でもどこが諦めていたようだった。
「今はそうかもしれない」
そっと呟いた私にみんなの視線が集まる。
「だから」
一呼吸おいて口を開く。
「追い抜くくらいに全力でついてきてよ」
出来るって信じてるから。
そう言い残した私はきっと最高に笑顔だった。