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「舞蘭はどう?」



「今のところ変わったことはありません」



「ふーん」



使われなくなった古い工場に2人の声が響く。



コンクリートで出来たこの空間は何故だか外よりもひんやりとしていた。



「ですが」



何かしらの報告を始めようとするそいつに目線だけを向ける。


その視線を感じ取ったらしいそいつは話し始める。



「希龍が邪魔になりそうです」



「希龍ねぇ」



どんなに人数が増えようが関係ない。


俺の目的は1人だけ。


"華城美希"のみだ。



「決行日は」



「そんなん決まってる」



ようやくこの時が来たんだ。


あの時殺せなかった華城美希を……



「1ヶ月後だ」



確実に仕留める。



ニヤリと口角を上げたままそいつと廃工場を後にしたのだった。