美希side
家を出てすぐふとケータイの画面を見ると8時20分の文字。
…あの高校までは確か最低でも15分はかかるはずだ。
転校初日。遅刻。
なんてわけにもいかず最後の悪あがきで全力で走った。
8時30分
学校前。
最後の悪あがきも虚しくついたその瞬間に鳴り響くチャイム。
遅刻の事はもう諦めた。
それよりも一刻も早く解決しなければならない問題に直面していた。
…門が閉まっているのです。
門が閉まっているだけならまだしも。
その門は私の背よりも高い。
どうしよう…
飛ぼうと思えば飛べる。
でも誰か見てたらと思うと簡単には出来ない。