「ねぇ悠哉。希龍って名簿みたいなのある?」



舞蘭は成りすましスパイが絶対に入れないよう幹部から下っ端まで個人情報を徹底的に調べている。


悪いなとは思うけど仲間を守るのに仕方無いこと。


これは昔からの決まりで入るのはそれが条件になるから誰にも責められたりはしないけど。


その成果なのか今まで舞蘭にスパイが入ったことは一度もない。


希龍がどうしてるのかは分からないけどあるなら把握しておきたいかな。



「名簿なら「あるぞ」蓮…そんなに美希と話したいなら普通に話しかけてください」



悠哉の言葉を見事にスルーし私に名簿を持ってくる。


「これだ」と言いながら差し出してきたそれを受け取る。


何なら話し始めた2人を横目に名簿を読み始めた。