美希side
ピピピッ……
朝を知らせる機械音。
起き上がる気力もなく手探りでそれを探す。
「…ない」
仕方なく起き上がるといつもはそこにあるはずの物が見当たらなかった。
ピピピッ……
音を頼りに探しているとベッドのすぐ側に落ちていた。
少し高めの所から落ちたせいか目覚まし時計のガラスには少しヒビが入っていた。
なんか、疲れた。
非常に朝に弱い私はより一層やる気を失う。
時刻は午前7時30分。
16歳の私は本来高校一年生。
学校に遅れると急がなければ間に合わない時刻だが行っていない私には全く関係なかった。
今日、わざわざ目覚まし時計をセットしてまで起きた理由は一つ。
お母さんに呼び出されたから。
昨日言えばいいものの今日この時刻でなければいけないらしかった。
非常に迷惑なこだわりだ。