「ん~、やっぱ桜はいいねぇ~」

木の下で一杯飲みたいよ、とあたしが冗談を言うと、

「ばーか」

ハルキはいつもの優しい笑顔を見せてくれた

あたしはずっとこの笑顔が大好き

ハルキの笑顔に安心したあたしは

「でもやっぱりあたしはあの木が綺麗でいちばん好きだなぁ」

いつもの調子で木を指さした

「やめて..くんない..??」

「え..」

ハルキが何を言ってるのかよくわからなかった

「だからやめてくんない?
俺はあの桜の木、好きじゃないし
いつまでも綺麗綺麗って..くだらねぇから!!!」

予想外の返事すぎて思考がストップした

でも驚いていたのはあたしだけじゃなかったようで

「..っあ、その..わりぃ..帰るわ..」

八つ当たり的なその態度にハルキ自身も驚いていた

「..うん」

嫌われたんだな、直感的にそう思った