「ハルキ~入学式だね~」

「そうだね~」

今日はあたしたちの高校の入学式

と言ってもあたしたちのではないけど

「今日から3年生だよ、最高学年!」

「来年には卒業だけどね」

そう言って振り返りながらべーっと舌を出すハルキ

「さみしいこと言わないでよ..あ..桜..」

「今年も綺麗に満開だね~」

やっぱりハルキと見る桜は落ち着く

「あたしの好きなソメイヨシノの木も綺麗に咲いてる」

「...」

「..どうしたの..??」

少し俯いてから

「..っんーん!なんでもないよ
入学式始まるから早く行こ!」

切なそうに笑うハルキ

「う、うんっ」

いつからか、ハルキはあの桜の木の話をすると、
寂しそうに笑うようになったしまった

綺麗だねって言っても喜んでくれなくなった

あたしはそれがすごく不思議だった