みんなと別れて家路につこうとしていたとき、
ソメイヨシノが見たくなった

いつもの見慣れた通学路は暗いと雰囲気が違って見えた

月明かりを見てたら泣きたくなった

ザザァっと風が吹くと満開の桜の木たちが揺れて
桜の花びらがはらはらと落ちてきた

桜吹雪に誘われて気付けばあの木の下まで来ていた

「夜桜..綺麗..」

ふと視線を落とすと

「ハルキ..??」

ハルキが桜の木の下で寝ていた

好きじゃない、と言ったのに

「んぅ..う..かぁ」

え?今、聞き間違いだったかも知れないけど..

「..ふ..うか..」

あたしのこと呼んだ..?

「ふうか..ごめんね..」

寝てるはずなのにあたしがいるのをわかっているかのように
話しかけるように謝ってきたハルキ

「起きてるときに言ってよ..」

月明かりに照らされた天使の寝顔に落ちる桜の花びら

もう..抑えなきゃいけないのに..

好きって気持ち..溢れちゃうじゃん...

「ハルキ...」

そっとハルキの前髪をかきあげる

「だいすき...」



ハルキの額に優しく..触れるけのキスをした..