「あぁ、一ノ瀬さん曰くいつも不機嫌だから大丈夫って。それにもし機嫌を悪くしてしまっても始めだから仕方ないって」

「そ、そうですか」

ママの言葉に安心を見せる莉璃華。

No.3みたいになるのが余程心配だったのかな…。


「さ、もう開店よ。一ノ瀬さんが来たら呼ぶからそれまで頑張って頂戴」

「「はい!」」

ママの言葉に潔く返事をして、立つ。

「失礼しました」

ペコリと軽くお辞儀をして二人で部屋を出る。


莉璃華が、

「姫來羅は昴さん見たことある?」

「街で見かけたことはあるけど・・・話したことはないわ。莉璃華はどうなの?」

「あたしはね~・・・ない」

あるのかと思ったらないのか・・・。

「じゃあ顔わからないか」

「うん。噂は聞くけどね」


「じゃあ今日は頑張ろうね」


「うん!」


莉璃華はニコリと笑った。



…この日、運命の出会いがあるなんて、この時の私が知るはずなかった。