「一ノ瀬さんが来るのかぁ・・・。頑張らなきゃ!」

莉璃華は一人でぶつぶつ言いながら気合を入れていた。


「一ノ瀬さんが来るんだけど・・・。昴さんも一緒に来店するのよ」

「「えっ!?」」

思わず莉璃華とハモった。

昴(すばる)さん。一ノ瀬さんの息子で若頭。

女遊びが激しくて、関係を持つ女性は絶えない。

女遊びといってもヌくだけ。

自分のテリトリーには一切いれず、ヤるのはホテルか昴さんの家の隣の女部屋。

一時間も一緒にいないらしい。


それでも冷酷だと有名で、女嫌い。


「でも、なんで昴さんが?」


「よくわからないけど・・・。一ノ瀬さんが昴さんに貴方たち二人を紹介するとか言っていたわ」


「紹介ーっ!?」

莉璃華の叫び声に耳を塞ぎ、莉璃華を見ると目がキラキラしていた。


「昴さんが来るってことは・・・。ヘルプは?」

「つかないわ。姫來羅と莉璃華。一ノ瀬さんから永久指名を受けた貴方たちだけよ」

「分かり、ました・・・」

「頑張ってね。私も最初は一緒にいるから」

すると、さっきまで黙っていた莉璃華が口を開いた。


「あのっ姫華さん!もし私たちが昴さんの機嫌を損ねてしまったら・・・」