「ふぅ。二人を呼んだのはね、今日一ノ瀬さんが来るからよ」

一ノ瀬(いちのせ)さん。店のお得意様。

一ノ瀬組の組長で、一ノ瀬組は関東一の勢力を持つ最大の組。

関西一の勢力を持つ組と日本の裏社会を仕切っている。


一ノ瀬さんの接客はいつも私と莉璃華がする。

本来ならNo.3も入るのだけれど、以前そのNo.3が失礼なことをして一ノ瀬さんの逆鱗の触れ、二度と一ノ瀬さんの接客をしなくなった。


一ノ瀬さんはいつもVIP席の中の一番豪華な個室。

そこに呼ばれる女の子は特別なのだ。

私と莉璃華がキャバ嬢になって初めて一ノ瀬さんが来店した時まで一ノ瀬さんは今まで誰も指名していなくて、いつもママが仕方ないからNo.1からNo.3に接客させていた。

キャバ嬢になって初めて一ノ瀬さんが来店した時は、ママが私と莉璃華を一ノ瀬さんに紹介し、接客をした。

それからは一ノ瀬さんが私たちを気に入ってくれ、永久指名をしてくれた。