フロアに行けば、もう既に女の子たちは集まっていた。
「あっ!姫來羅さん!おはようございます!」
「おはよーございます!」
「今日もお綺麗ですね」
鬱陶しいくらいの数々の言葉を聞き流し、ある人物を探す。
クルリとフロアを見渡すと、後ろから誰かに抱きつかれた。
「莉璃華、おはよ」
「なぁんだ、バレちゃったか。姫來羅、おはよう!」
抱きついてきたのは親友の莉璃華(りりか)。この店のNo.2。
私と同じ日に夜の世界に足を踏み入れて一年足らずでNo.2に輝いた。
今ではその座は莉璃華のもの。
莉璃華といえば夜の王女。
夜の女王と夜の王女は夜の世界じゃない世界でも有名だ。