「ここ全部やるのか?」


「そうだよ。この花壇全部に水をやって」


「うげーっ。多くね?てか本っ当にお前がいてくれてよかったよ」


「わかったから、早く要はホースを持って。僕が水出してくるから」


急かすかのように

稚早は俺の背中を押す



俺は渋々花壇に入り込み、全体に水が行き渡るくらいまで進入していく。



「――っ、なんだよ。真ん中なんて雑草だらけじゃねえかよ」



そう


見ての通り


真ん中は綺麗な花に紛れ込む雑草だらけだった。



踏みながら足で雑草を掘っていると


右手に持っているホースから水が出始める


最初は少しずつチョロチョロと


しかしあっという間に水力は上がりかなりの量の水がでてきた。


透かさず俺はホースの口を潰して


全体に広がるように水を飛ばす



きらきらと


水が太陽に反射してきれいに輝いて


そして大地へと落ちて


呑み込まれていった