「エレアン ニンネグニン…エレアン ニンネグニン…エミーノガード!!」

ドラゴンばあさんは、大きなこえで呪文をとなえました。

ピカピカドッカーン!!

手に持っていたつえから、すごいひかりが出て、ドラゴン姫を包みこみました。
「ケホ、ケホッ」

モクモクとあがる煙の中から、ドラゴン姫のせきが聞こえます。

「ゲッホ、ゲッホ!!」

ドラゴンばあさんも、煙の中でせきをしています。

「…おばあさん…?大丈夫?」

ドラゴン姫は、ドラゴンばあさんを煙の中から呼びました。

「ゲッホ、ゲッホ!!…おや、ドラゴン姫。かわいい声になったねぇ」

ドラゴンばあさんに言われて、ドラゴン姫はびっくり。
いつもよりも、声がたかくなっています。

やがて、煙がはれてくると、ドラゴン姫は自分の手を見て、またびっくり。

ちっちゃなドラゴン姫の手は、もっとちっちゃな人間の女の子の手になっていたのです。

「魔法がきいたみたいだね。これで姫は人間の女の子だよ」

ドラゴンばあさんが言いました。

赤いドレスを着た、ちっちゃな人間の女の子になったドラゴン姫。

「ありがとう、おばあさん!これで、かんむりを直してもらえるわ!」