美雨side
やっぱり...。
私の今日の第一声はこれ。
理由は、単純。入学式が雨だから。別に楽しみにしていた訳じゃない。私は「雨女」だから。雨が降るのかどうかきになっていただけ。もちろん雨が降っていないだろうなんてこれっぽっちも思っていないけど。

「美雨ちゃん~。早く準備して降りてらっしゃい~。」
そんなお母さんの声もどこか遠くに感じる。少しだけだから、もう一度寝ようと思ったとき"バンッ"と扉が開き中学生の妹の朝陽がひょっこりと顔を出した。
「おはよ☆やっぱり今日雨じゃん!!お姉ちゃんってほんっとに雨女じゃん!?つくづく思っちゃったよ。ま、ウチは入学式じゃないから別にいいけどさっ。巻いてく髪が濡れるのはごめんだけどー!!」
改めて思ったけど、妹って朝からハイテンション過ぎるでしょ。まぁ私が暗すぎるのかもしれないけど。
そう思いながらゆっくりとベッドから足を出す。
「う゛ー。寒っ。」
一応雨も降ってるし、今日はいつもより冷え込んでいる。寒さと格闘しながら階段を一段一段降りていく。
リビングにはお母さんとお父さん。そして、うるさい妹がいた。
「おはよう。今日はもう遅いし朝ごはんいいや。あと、着替えたらいくから。」
なんて、そっけなくあいさつ。お母さんもお父さんも「そう。」というだけ。朝陽が一人ベラベラ喋っているのを横目で流しながら準備を急ぐ。ときどき、「っね!お姉ちゃん!」と同意を求めてくるけど答える必要もないと思っているから答えはきまって「あぁ。そうだね。」という。やがて、お父さんもめんどくさくなり「そろそろいくかな。」と言った。準備が出来た私はお父さんと家を出るのが一緒になりたくなかったから、「私も行ってくる。」と一言交わして家を出た。