彼女は目を細めて笑う。

 思わず目を奪われそうになるほど綺麗な笑い方だった。

 そのとき、窓から一枚の桜の花の残りが飛び込んできて、彼女の足元に舞い降りた。

 彼女はかがむと、その花びらを両手で包む。

 薄いピンク色の花びらが日の光を浴びてより薄く白く見える。

「どうしても見たいものがあるの。でも、それはあなたと一緒じゃないと見れないものだと思うから」

 抽象的過ぎて分からない。

 だが、単純に興味があった。