彼女は突然、何かに気づいたような顔をする。

「ていうか、黙っていたらってどういうこと? それってわたしの性格に著しく問題があるみたいじゃない」

「どう考えても問題あるだろう?」

 自覚がないのか。それもそれで問題だ。

「そんなことないから。大体、先輩に失礼だと思わないの?」

「先輩?」

「そう。笹岡茉莉。三年二組よ」

「見えない」

 それは本心だった。


 彼女の何かあるたびに輝く大きな瞳や、自分勝手さを考えると、高一か高二だとばかり考えていた。